「なぜ、まだ若いうちに生まれ育った国を離れて一人で海外移住をしたのか?」
オーストラリアに来てから数え切れないほど聞かれた、そして今でもよく聞かれる質問です。
オーストラリアは移民の国なので、移住すること自体は全く珍しいことではありません。
ただ、20代前半で家族と離れて一人で海外移住するというのは少し変わったケースなのかもしれません。
海外に住んでいる人達の中には、昔から英語が好きで海外に住むのが夢だった方や、国際結婚がきっかけで移住したという方も多いかと思います。
海外移住という選択
私の場合はというと全く違い、日本に馴染めなかったというのが一番大きい理由でした。
日本での生活がしっくりこないと感じ始めたのは、小学生の中学年頃だったと思います。
日本人として守るべきとされていることや、空気を読んで本音を言えないところなど、日本のシステムのようなものに、この頃すでに違和感を感じていました。
人見知りで不器用な性格。ニックネームもなく、友達にも「〜さん」と苗字で呼ばれるような、身長の高さ以外では特に目立たない子でした。
小中高と淡々と毎日を過ごしていましたが、学生生活を送る中で、自分が日本の型にはまらないということを少しずつ感じとっていたのかもしれません。
私が外に出て世界を見てみたいと思うようになったのは、早稲田大学に進学して一年ほど経った頃。
サークルの先輩が就職活動をする様子を見て、将来このまま普通に就職をしていつか結婚をするという道は私には合っていないのかもしれないと考えるようになったことがきっかけでした。
海外移住のきっかけ
それまで全く海外に興味がなかったので、一体何から始めたらいいのか分からなかった私。
分からないなりにリサーチをして、大学二年生の夏休みに思い切ってカナダのバンクーバーで二週間ホームステイをすることにしました。
ホストファミリーから英語を習い、フリータイムに観光をして過ごした二週間。
その時に感じた開放感が忘れられず、帰国後は海外に住みたいと本気で考えるようになりました。
大学三年生の夏にはオーストラリアのシドニーにお試し短期留学をしました。
オーストラリアでの三ヶ月の生活を通して「生きている!」と体全体で感じた私は、大学卒業後にオーストラリアへ渡ることを決意します。
その後、大学を卒業するまでの一年半、日本から脱出することを目標に大学に通いながら独学で英語を勉強し、アルバイトをして貯金に励む毎日を過ごしました。
そして、2005年の三月に大学卒業と同時に渡豪。これまでの15年間、シドニーで生活してきました。
海外移住をして、自分らしく生きる
オーストラリアに渡る前、知人に「日本人として生まれたのだから、日本で生きていくのが当然」と言われたことがあります。
本当にそうでしょうか?
国を超えての引越しというのはそう簡単にできるものではありません。
一緒に移住するのでない限り、家族や友達、そして仕事など、それまで当たり前のように自分の周りにいてくれた人やあったもの、全てを置いて行かなければなりません。
いろいろな意味で覚悟が必要です。
そして、海外に出たからといって毎日がバラ色になるわけでもありません。どこに住んでいても、生きているといろいろあるものです。
なので、安易に海外移住するようにお勧めするわけではありません。
ただ、もしあなたが今の日本での生活に息苦しさや疑問を感じているのであれば、自分の居場所を海外に見つけるという選択肢があってもいいのではないでしょうか。
自分の直感を信じて動き出すことで、あなたを取り巻く環境は大きく動き出すものです。
15年前の私には、若いながらもこの決断は間違っていないという根拠のない確固たる自信がありました。
その自信があったからこそ、自分が生まれ育った国を出るという人生最大とも言える決断を躊躇することなくできたのかもしれません。
最後に
オーストラリアは多国籍国家。
みんな違っていて当たり前という前提があり、日本のようにみんなと同じということを求められることなく自分らしく生きやすい場所です。
自分の肌に合っている場所で生きていけるということ。これ以上の幸せはないと日々感じています。

最後までありがとうございました。
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